英語のルーツと成り立ち

英語のルーツと成り立ち

現在使われている英語には様々な大きな変化の歴史があるのをご存知でしょうか。

 

ここではこれまでの英語の成り立ちやルーツについて一部ご紹介します。

 

英語の先祖

 

英語のルーツをたどると行き着くのが「印欧祖語」という言語が黒海周辺で話されていて、ここからインド、イラン、ヨーロッパへ移動していったようです。

 

つまり、現在のヒンディー語やペルシャ語やヨーロッパの各言語は共通の祖先を持っているということです。

 

このうちヨーロッパ北部へ分かれた言語が「ゲルマン祖語」と考えられています。

 

現在の英語、オランダ語、ドイツ語、スカンジナビア諸語はこのゲルマン祖語から派生しました。

 

古期英語の誕生

 

ゲルマン族のうちドイツ西北部に住んでいたアングル人、サクソン人、ジュート人が他民族の侵入に押されてブリテン島に渡ったのが4世紀頃でした。

 

もともとブリテン島にはケルト人が住んでいましたが、ローマ帝国の衰退とともにゲルマン人が侵入・定住していき、ケルト人を西に追いやりました。

 

この時代には古期英語が話されていて、現在の英語の最も基本的な語彙や文法がこのころから使われています。

 

古北欧語から取り入れた

 

8世紀になるとバイキングの侵入が激しくなり、11世紀にはデンマーク人(バイキング)のクヌート王がイングランドを支配するようになります。

 

この時代は同じゲルマン語族の古北欧語の語彙が当時の英語に取り込まれていきました。

 

たとえば三人称複数のthey、their、themは古北欧語からの借用語です。

 

ちなみに、「English」は「アングル(Angle)族の言葉」という意味があります。

 

フランス語の語彙が大量に加わった

 

その後1066年に、ノルマン人がフランス北部から渡ってきてイングランドを占領しました。

 

それ以降の時代は、支配階級はフランス語を、庶民は英語を話すという状況が続くことになります。

 

大量にフランス語の語彙が流入し、借用語として1万語も英語に入っていきました。

 

例えば、beef、pork、muttonなどはフランス語からで、cow、pig、sheepは英語です。

 

つまり支配階級が食べる肉を、庶民が生産するという当時の状況を反映しているわけです。

 

13〜14世紀には支配階級も英語を話すようになり、書き言葉と話し言葉を一致させる動きがありました。

 

大母音推移という大変化が

 

15〜16世紀には「大母音推移」といって、発音とスペルが大きくかい離するようになりました。

 

それまではスペルのとおりに発音していました(fiveはフィーヴェ、seekはセーク、rootはロートなど)が、この時期に発音のほうが大きく変化したのです。

 

しかも、スペルのほうを発音に合わせて変更することはしなかったため、現在まで影響が残っています。

 

その後の時代も、引き続きフランス語やラテン語、ギリシャ語からも借用していったため、英語の語彙は充実していきました。

 

さらに変化し続ける英語

 

大英帝国として世界中に支配を広げていくとともに、現地の言葉が英語に取り込まれていきました。

 

20世紀にはアメリカ英語が主流になっていきますが、ここにもネイティブアメリカンの語彙やアフリカ系の語彙も加わり、現在に至っています。

 

ですから、今後も英語は変化していく活きた言語としてこれからも歴史を刻んでいくことでしょう。

 

 

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