専門知識の前に英語

専門知識の前に英語

グローバル人材が求められる中、いわゆる技術職、専門職と呼ばれる人たちにも英語力が求められるようになってきています。

 

せっかく専門知識を持っていても、日本語だけでは、能力を発揮できるのは国内に限られてしまいます。

 

政府の取り組み

グローバル人材育成推進会議という政府主導の会議があります。

 

文部科学省のホームページによると、「高等教育の国際化を効果的・効率的に進め、産学官(民間・大学・省庁間連携も含む)を通じて社会全体でグローバル人材の育成に取り組むという方針のもと、その対応方針を戦略ビジョンとしてまとめることとする。 」とあります。

 

その報告書の中には、「実践的な英語教育の強化(英語・コミュニケーション能力、異文化体験等)」が提唱されています。

 

英語のスキルとしては、二者間折衝・交渉レベルや、多数者間折衝・交渉レベルを任せられる人材を育成したいとのこと。

 

日本人の競争力

TOEFL の国別の成績ランキングで、日本は 165 ヶ国中 135 位、アジアでは 30 ヶ国中 27 位と低迷しています。

 

アフガニスタン、モンゴル、ベトナムと言った国よりも下位にあります。

 

日本は平均寿命で世界一、環境技術で 2 位、研究開発投資で 3 位など強い指標を持つものの、外国語のスキルでは競争力に欠けるという現実があります。

 

技術者の間では、海外からの技術資料や文献がもれなく翻訳されており、日本語で読むことができるため、これまで、英語の原文を直接読まなければならないという事態はほとんど発生しませんでした。

 

英語と日本語は大きく異なる言語同士であること、明治以来優秀な翻訳者が海外の文献を翻訳して、日本語で不足なく情報を入手出来ることなどが原因で、多くの技術者がいわば「内向き」であり、その上にあぐらをかいている状態なのです。

 

英語力がますます必要

技術革新の波のスピードが上がっています。

 

英語で原文を読んでいかなければそのスピードに乗り遅れてしまうでしょう。そして英語で海外の技術者ともスムーズにコミュニケーションを取る必要があります。

 

経済、技術、すべてが世界で繋がっており、世界の裏側で起こっていることは直接日本に住むわたしたちに影響します。

 

「専門知識の前に英語」というのは、専門知識を持っていても英語ができなければ宝の持ち腐れになることを指摘するものです。

 

 

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