日本の英語教育の歴史 2
公立の学校はというと、尋常小学校、国民小学校という義務教育の初等教育では英語教育は行われていませんでした。
現在の高校、大学に相当する旧制中学、旧制高校でのみ、英語教育が行われていました。
かつての英語教育
この当時の英語は高等教育を受けた、まだ限られた人たちだけのものでした。
当時は英語を読んで訳し、英語の文献を読み解くということに主眼が置かれており、実際の英会話を重視している学校はほんの一部でした。
外国人教師が教壇に立つミッション系の学校のみだったと考えられます。
さらにこれは現代にも言えることですが、明治以降、英語以外の授業が英語で行われることは一般的ではありませんでした。
このことは当時最新の技術や学問についての英語での文献が、翻訳者によって日本語に適切に翻訳され、また充実していたということを意味します。
これまで日本になかった全く新しい概念については「和製漢語」をつけていきました。「郵便」「野球」「科学」「哲学」「経済」などがそうです。
「敵性語」
第二次世界大戦中、日本にとって敵国だったアメリカやイギリスが話す英語は「敵性語」とみなされ英語教育が禁じられ、生活の中からも消えることになりました。
しかし陸軍や海軍の学校では、戦争の遂行のために英語が必要であるとして熱心に教育が続けられていたという事実もあります。
ちなみに戦前の英語教育は「イギリス英語」が中心でした。戦後は日本社会がアメリカの影響を強く受けていることに伴い「アメリカ英語」が中心となっています。
戦後の英語教育
1947 年の教育基本法の制定により、義務教育の中学校での英語教育が必修化されました。そして最近 2011 年には小学校 5, 6 年で英語授業(外国語活動と呼ばれる)が必須化されました。
それからの英語教育についてはみなさんの実体験の中にあると思いますので多くは語りませんが、変動為替制や円高の影響などで海外旅行が容易になったということも、日本の英語教育に拍車がかかる要因ともなっています。
現在では、会社の公用語が英語になる時代です。
時代のグローバル化とともに英語教育の重要性がますます大きくなるのは間違いありません。
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